薬屋の末裔
「ヒサミツ」と聞いて何を思い出すでしょうか?
大多数の方がサロンパスで御馴染みの久光製薬さんを思い出し、幕末ファンは島津の国父様を思い出すのではないでしょうか。
前者は同じ対州藩田代領内の同姓なのですが、我が家で判明している18世紀後半のご先祖様まで遡っても繋がっている気配はありません。
戦国時代まで戻ると元は同族かもという仮説はあるのですが、その話はまた後日。
さて、下の写真にある久光利平は私の五代前のご先祖様です。
明治8年に売薬検査願を出した人々の中にその名がありました。
日本三大売薬のひとつとも言われる「田代売薬」。
幕末維新期を生きたご先祖様も携わっていたというのは感慨深いものがあります。
・・・ですが、この久光利平氏は明治10年6月18日に売薬廃業届を県庁に提出しています。わずか2年。西南戦争の頃であり政府は資金調達に苦しんでいた時期。いろいろと読んでいると売薬にも税負担がかなりかかっていたようで、多くの人が廃業されているようです。
ちなみに、どういう薬を売っていたのでしょうか?売薬廃業届に名前が列挙されています。
写真を載せたいところですが、売薬廃業届を所蔵している施設の許可がいるので、ざっと名前だけ書き上げて列挙しますと・・・
奇應丸、キナ圓、一角丸、熊謄丸、万金丹、清壽丸、赤龍丸、肝凉圓、功勝円、安栄湯、正気湯、山田振藥、大補湯、疝気一服湯、千金丹、合羽膏 以上16処方。
どのお薬がどういうときにどう効くのか分かりませんが、試してみたかった気がします。さすがに調合方法は見つかっていません。